2012年6月6日水曜日

留学仲間インタビュー/日本へ留学/国際基督教大学/人類学、メディアコミュニケーション&カルチャー/Won Nicole Jang

留学は私にとって自分の世界を広げるチャンスです

Won Nicole Jangさん

日本への留学生へのインタビューを通じて、世界から日本を見ます。1回目は韓国から国際基督教大学(以下ICU)へ留学に来ている大学2年生のWon Nicole Jangさん(以下Won)にインタビューをしています。

インタビュアーは久保田、写真撮影は細沼です。

久保田 まずはWonさんの自己紹介をお願いします。

Won 韓国出身のWonです。国際基督教大学に通っていて、専攻で人類学、副専攻でメディアコミュニケーション&カルチャーを学んでいます。大学進学の為に日本に来ました。

久保田 ICU進学の為に日本に留学に来ているとのことですが、それまでは韓国で勉強していたのですか?

Won 韓国で勉強していたのは中学校までです。中国語を話せる父の勧めで中国にあるアメリカンスクールに進学しました。アメリカンスクールでは中国語のクラスもありましたが、ほとんどのクラスが英語で行われました。1年間、アメリカンスクールで学びましたが、中国語と英語の両方が中途半端になってしまうと思い、高校2年生の時にアメリカ、ユタ州にある高校へ転校をしました。
中国でもアメリカでも田舎の学校を選びました。勉強に集中出来る治安の良い田舎町であり、周りに韓国人が少ない学校に行きたかったからです。


久保田 中国とアメリカで高校生活を経験されたのですね。国によって何か違いはありましたか?

Won 中国には新しいモノがたくさんあり、アメリカには新しい習慣がありました。海外で新しいモノや習慣に触れましたが、アメリカでも中国でも韓国でもどこかでは共通点はあると感じました。例えば、他人を思いやるなどの人間の根本は一緒。ただ、表現の仕方が国によって違うだけだと感じました。

久保田 海外へ出ることによって、違いと共に共通点も見つけたのですね。アメリカの高校卒業後に日本へ来たのですか?

Won はい。ICUに入学しました。私自身クリスチャンであることや、ICUがリベラルアーツであることを考慮し、入学を決めました。

久保田 日本の大学を選んだ理由を教えてください。

Won 中学2年生の頃に所属していた放送部での体験が日本の大学を選んだキッカケです。放送部での体験によってメディアに興味を持ち、自分の意見や考えを放送で伝えたいと思いはじめました。

当時の韓国や中国のTVプログラムは日本の影響を強く受けており、日本で流行ったプログラムが韓国で流行り、その後中国で流行るという流れがありました。アジアで影響力のある日本のメディアについて学びたかったので、日本に来ました。
また、メディアに関わりたいという思いがあり、専攻を人類学、副専攻をメディアコミュニケーション&カルチャーにしました。



久保田 専攻をメディアコミュニケーション&カルチャーにしなかったのには理由があるのですか?

Won 私の好きな言葉に「メディアは手段であり目的ではない」というものがあります。メディアを作ることよりも、メディアを通して自分の考えや意見を発信することに興味があり、人類学を学ぶことによって自分の教養を深めたいと思ったからです。
ちなみに日本の好きな番組は、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」です。笑





久保田 メディアを通して伝えたいことは何ですか?

Won メディアを通して、外の世界があることを知ってもらいたいです。外の世界を知ることにより、国、文化、言語などの違いはあるが、様々な共通点もあることを知ってもらいたい。また、国、文化、言語などのフィルターを通さずに、個人として人を見るような番組を作りたいです。
具体的には、難民問題や差別に興味があります。人間の無関心が難民問題や差別が起きるのに影響していると思っていて、人の興味をひくのにドキュメンタリーが有効だと考えています。30才までにドキュメンタリーを1つ作りたいです。

久保田 今後ICUWonさん自身の教養を深めると共に、メディアを通した発信方法などを学ばれるのですね。

Won はい。それと、フランスへの留学も決まっています。フランス留学の理由は2つあります。
1つは、私の全く知らない、新しい環境に飛び込みたかったからです。韓国はアメリカ、中国、日本の影響を強く受けていますので、韓国でもそれらの文化や習慣は体験出来ます。フランスでは今まで体験したことのない経験が出来るのではと期待しています。
2つ目は、フランス語を話せるようになりたいからです。ドキュメンタリーを作る際に、インタビュー相手と直接のコミュニケーションを取ることにより、フィルターのかからない意見を聞きたい。その為には自分が複数の言語能力を取得する必要があると思います。

久保田 素敵ですね。ドキュメンタリー作成以外に今後の夢はありますか?

Won たくさんあります。笑 人生1つの仕事に従事しなくて良いと思っています。ドキュメンタリーや番組を作りたいですし、世界各国の旅行ガイドに乗っていないような場所に行き旅の本を書きたいです。また、クリスチャンの学校も建てたいです。

久保田 これから海外へ出る方へメッセージをお願いします。

Won 目標や目的を持って海外へ行くのをお勧めします。日本はやはり安全な国だと思います。海外には誘惑や危険もあるので、目的意識をはっきりさせていくと、誘惑に負けないですし、ホームシックにも勝てます!
また、海外に行こうと思っているのなら、行った方が良いと思います。実際に行くことによってポジティブとネガティブ、両方の経験をしますが、私はネガティブな経験も今考えると役に立っています。

久保田 最後に、Wonさんにとって留学とは?

Won 自分の世界を広げるチャンスです。